
現在開催されているロサンゼルスオートショーで、ボルボが少し面白いコンセプトカーを発表しました。
ボルボが表現する自動運転車のインテリアコンセプトとは!?
そのコンセプトカーは、なんとダッシュボードと、センターコンソールと、ドライバーシートのみ。
Concept26と呼ばれるこのコンセプトカーは、近い将来実現するであろう自動運転車のインテリアを表現しています。
Concept26という名前は、アメリカ人の車通勤の人の平均通勤時間が26分であることから、この名前がつけられました。
“運転”は好きだけど、”通勤”は嫌い
日本と同様に、アメリカでもたいがい朝の通勤の時間帯は渋滞します。
そのため、約60%の人が渋滞を避けるために、本来の時間よりも早くに家を出るなど工夫をしているそうです。
また、約20%の人は、渋滞を避けるために会社のすぐそばに住んていると言います。
実際、ボルボが実施したアンケート調査によると、約50%の人が運転することが大好きだと答えていますが、その一方で、そんな運転好きの方の多くが”通勤”は嫌いだと答えたそうです。
そのため、半数以上の人が自動運転に対して好意的な印象を持っていました。
そこで、ボルボは、「もし通勤時間に別のことができたら、どんなことをしたいか?」という非常にシンプルな質問から、検討を始めたと言います。
通勤中、もし別のことができるのであれば、みなさんは何をしたいと思いますか?
ボルボの調査では、多くのアメリカ人が新聞やメールのチェック、テレビのニュースを見ることと答えたそうです。
通勤を便利にするためにボルボが考えたこととは?
上でも述べたように、多くの人が、自動運転の時代になっても運転自体を楽しみたいと思っています。
そのため、シートは前方を向いており、シートの脇にはコンソールがあるなど、基本的なカタチは現在の車と同じです。
ただ、自動運転中にドライバーが他のことをできるようなスペースを作るというのがこのConcept26のコンセプトのようです。
シートは自動で後ろに下がり、ハンドルは自動で前方に動きます。
これによって、まるでラウンジのソファーかのような空間を車内に生み出します。
さらに、助手席の前方には、格納式の25インチスクリーンが搭載されており、自動運転時はこのスクリーンで様々なエンターテインメントを楽しむことができます。
このスクリーンの操作は、コンソールに設置してあるタッチパネルで行ないます。
みなさんはどう思われるでしょうか?
こんな車が実現したらいいですよね。
Concept26を実現させるための課題
ボルボはConcept26はすでに既存の技術で実現することができると言っています。
ただ、このコンセプトカーを実現させるにはいくつか課題があるように見えます。
コストが高い
このコンセプトカーはパッと見ただけで、かなり高額な車になりそうだということがわかります。
自動で前方に移動するハンドルと自動で後ろに下がるシート、巨大なモニター、これだけでも今実現させようとすると、1つ1つとても高額になるはずです。
「自動運転の車を発売します!けど、価格は2000万円です!」なんて言われても嫌ですよね。
安全の不安
シートベルトやエアバッグなどの安全装置は、基本的に運転時のドライバーの姿勢に合わせて設計されています。
そのため、もし自動運転時に衝突事故が起こった場合、適正な保護ができないかもしれません。
例えば、自動運転中にエアバッグが作動した時、ハンドルが前に出ている状態のため、乗員がエアバッグに突っ込む時にはもうしぼんでるなんてこともあるかもしれません。
そういう時のことはどう考えているのでしょうか。
もしかしたら、自動運転の車が実現すれば、事故は起きないと言うのでしょうか。
助手席のエアバッグは?グローブボックスは?
写真を見ると助手席のダッシュボード部分に大きなモニターが付いていますが、本来その部分には、エアバッグが格納されていますし、グローブボックスもあります。
これらはどこにつけるのでしょうか?
などと、ついつい色々つっこみたくなるのですが、ボルボは2017年までに自動運転の公道試験をスウェーデンで開始すると言っています。
もしかしたら、これらの課題もすでに解決しているのかもしれません。
数年後にこのコンセプトカーが実現していることを期待して待つことにしましょう。
参考:Motor Trend