【プロが解説】トヨタが発売した燃料電池車MIRAIってどんな車?

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先日トヨタが世界初となる量産型燃料電池車MIRAIを発表しました。
自動車が好きな方もそうでない方も、このニュースを耳にした人は多いのではないでしょうか。

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今日は、燃料電池自動車とは一体どのようなものなのか、トヨタMIRAIとはどのような車なのかということをみなさんと一緒に見ていきたいと思います。

燃料電池車(FCV)とは?

通常、車と言えば、ガソリンを燃料として走るものを想像されると思いますが、燃料電池車の燃料は”水素”です。

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“水素”はみなさんもよくご存知の通り、化学式ではH2と表し、原子番号1の物質。

地球上に存在する水素原子の量はほぼ無限と言われています。(エネルギー資源としての水素を生成することにはまだいくつかの課題がありますが)

つまり、石油燃料の枯渇が心配される昨今において、”水素”で走る燃料電池車は、まさに夢の車なのです。

では、その”水素”を使ってどのように車を動かすのでしょうか。

動力となるのは、電気自動車と同じように、エンジンルーム内に搭載されたモーターです。
ただ、一般的な電気自動車のように、走る前にバッテリーを充電し、その電力を使って走るのではありません。
小学校の時に理科で実験をしたという方もいらっしゃると思いますが、”水素”は”酸素”と結合すると、化学反応を起こして、電気と水を作り出します。
その作用を利用して、発電した電力を使い、燃料電池車は走るのです。
その際、有害物質を含んだ排気ガスは一切出しません。
排出するのは、”水”だけです。

燃料電池車の課題

燃料電池車の技術自体は、1960年代には完成されていましたが、実用化されるまでには、いくつかの課題がありました。
その課題は、大きく言うと、以下にあげる3点です。

①燃料電池車で必要な各部品のサイズが大きすぎる
②爆発性ガスである水素を積んで走る危険性
③水素ステーションの少なさ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

課題① 燃料電池車で必要な各部品のサイズが大きすぎる

燃料電池車は基本的に以下部品によって構成されています。 

⑴FCスタック

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水素と酸素を化学反応させて、電気を作る発電装置です。

⑵バッテリー

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駆動用のバッテリーですが、減速時に充電もされます。

⑶モーター

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動力源。ガソリン車でいうとエンジンです。

⑷パワーコントロールユニット

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発電された直流電流をモーターを動かすための交流電流に変換します。

⑸水素タンク

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燃料である水素を蓄えるタンクです。

これらの部品は一つ一つのサイズがとても大きく、これまでは乗員のスペースの犠牲にせずに配置するのが難しかったのです。
しかし、技術の進歩により部品のサイズは小さくなりました。
トヨタのMIRAIに乗ってみても、車内の広さは他のガソリン車に劣らないほどです。
ただ、後席の中央はバッテリー補機を配置いるせいで、座ることは出来ず、4人乗りになってしまっているところで、まだまだ燃料電池車の部品サイズが課題なのだと感じました。

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② 爆発性ガスである水素を積んで走る危険性

次の課題が水素の危険性です。
水素は酸素と混合した時、ある温度と圧力で爆発する危険性があります。
そのため、水素を貯蔵しておくタンクは、非常に頑丈に作られている必要があるのです。
トヨタMIRAIに搭載されている水素タンクは、プラスチック素材+炭素繊維+ガラス繊維の3層構造となっています。

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さらに、万が一車火災が起こってしまった時、熱によるタンク内圧力の上昇がもたらすタンクの破裂を防ぐために、高温状態になると、タンクに取り付けた「溶栓弁」とよぶバルブから水素を逃がすようにしています。
この弁には110度で溶けだす「可溶合金」が使われており、この温度以上になると水素を放出します。
さらに、水素が放出される向きは法規制に基づいて、車両の後ろ方向、かつ地面に斜めに向けた方向にセットされているそうです。
トヨタは燃料電池車の量産化のために、ここまで万全な体制をとっているのです。

③ 水素ステーションの少なさ

3つ目の課題は現在もなお大きな課題となっています。
水素ステーションが無ければ、燃料電池車は成り立ちません。

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そこで、トヨタは他社も含めて燃料電池車を普及させることで、水素ステーションなどのインフラ整備を促進させようとしています。

先日トヨタが燃料電池車関係の特許を公開したというニュースが騒がれていましたが、これも燃料電池車を普及させることが理由の一つだと言われています。
現在国内で稼働している商業用の水素ステーションはまだほとんどありませんが、2015年度中に100ヶ所の設立が目標に掲げられています。
しかし、現在日本国内のガソリンスタンドの数は約35,000とも言われているので、この水素ステーションの少なさは当分課題となりそうです。

ミライを実際に見てきました!

まだまだ課題は残されているものの、トヨタが競合他社に先駆けて、量産車というカタチで燃料電池車を世に出したことは、すごいことだと思います。

そんなトヨタの燃料電池車MIRAIが、MEGAWEBに置いてあったため、内装などを見てきました。

(いつも通り動画をYouTubeにアップしています。今回は番外編ですが、定期的に試乗レポートをアップしているので、是非チャンネル登録して下さい!)

水素タンクやスタックなどを搭載しているにも関わらず、室内は広く、違和感は特に感じませんでした。
ただ、上でも書いたように、後席の中央がバッテリーの配置により、2人しか座ることができないことが、唯一残念だったところでしょうか。

さて、今回は、燃料電池車とは何か、トヨタMIRAIとはどんな車かということをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?

次回は、「なぜトヨタは燃料電池車を発売したのか!?」ということについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。。

永田カーティン

永田カーティン

投稿者プロフィール

車好きサラリーマン。
かつて自動車エンジニアとして働いていた経験を基に車に関する面白情報を紹介する。

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