【実はすごい工夫がいっぱい!?】新型インプレッサのデザインに隠された秘密とは

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先日、幕張メッセで開催されていた「AUTOMOBILE COUNCIL 2016」で、新型インプレッサが展示されていました。

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車好きには堪らないイベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2016」に行ってきたので報告する!

以前ご紹介したように、新型インプレッサのデザインには、「がっかりした」といった声が多いようですが、よく見てみると、実は、技術的に様々な工夫が織り込まれたデザインであることがわかります。

インパクトの無いデザインに少しがっかり!? 新型インプレッサの全貌がついに明らかに!!!

そこで、今日は、新型インプレッサのデザインに隠された「工夫」を国産車エンジニアの視点からご紹介したいと思います。
※あくまでも、私の推測が入っていることをご承知おき下さい。

事故した時の修理費が安く済むためのデザイン

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実は、新型インプレッサのデザインは、軽い事故を起こしてしまった時に修理費が高くならないような工夫が凝らされたデザインなのです。

海外には、保険料率が車種によって決まっており、その車種毎の保険料率が公開されている国があります。

そのような国の人々にとっては、保険料率の低さが、購入する車を選ぶ際の1つの重要な要素となるのです。

どのように保険料率が決まるのか?

それでは、そんな保険料率はどのように決まるのでしょうか?

それは、軽衝突試験といって、速度15km/hほどで車を固い壁に衝突させる実験を各車に対して行ないます。
そして、その時に壊れた部品の修理費によって保険料率を決めるのです。

http://www.rcar.org/Papers/Procedures/rcar_LowSpeedCrashTest2_2.pdf

軽衝突試験の概要(http://www.rcar.org/Papers/Procedures/rcar_LowSpeedCrashTest2_2.pdf)

例えば、軽い衝突事故で、車体骨格やランプ、ボンネットフードなど、多くの部品の交換修理をしなければならないような車は、保険料率が高く設定され、逆にバンパーのみ交換修理すればよいというような車は保険料率が低く設定されるのです。

軽衝突ではボンネットフードは壊れないデザイン?

軽衝突での修理費を大きく分ける部品があります。
それがボンネットフードです。
ボンネットフードは大きいため、少し凹んだだけで部品全体を交換をしなければならないのです。

事故で前側が変形してしまったボンネットフード

事故で前側が変形してしまったボンネットフード

よって、軽衝突ではボンネットフードが傷つくか傷つかないかで修理費が大きく変わってきます。

しかし、新型インプレッサは、軽衝突ではボンネットフードが壊れないようなデザインになっています。

このことは、ボンネットフードの前端がどこにあるかを見れば分かります。

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現行のインプレッサは、グリルとボディの境がそのままグリルとボンネットフードの境界となっています。

一方、新型はボンネットフードの前端が車の前端からかなり上の方にあるのがわかると思います。

このようなデザインとすれば、軽衝突の時に、ボンネットフードは壊れずに、グリルバンパーのみの交換で済みます。

最近は、保険料率を下げるために、このようなデザインにしてくるメーカーが多くなってきていますが、新型インプレッサでとうとうスバルも採用してきました。

歩行者の脚部を守るバンパーデザイン?

さらに、新型インプレッサのバンパーデザインは、かりに歩行者をひいてしまった時でも、歩行者の脚の関節が大きく曲がらないように、フラットなバンパーデザインとなっています。

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また、世界中で導入されている歩行者保護試験は、人の脚部を模擬したダミーを試験車のバンパに向けて時速40kmで発射させ、ダミーで計測した衝撃力などから、自動車が歩行者に衝突した場合の歩行者の脚部傷害の程度を評価しています。

歩行者保護 脚部試験の概要(http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/car_h23/test_leg.html)

歩行者保護 脚部試験の概要(http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/car_h23/test_leg.html)

歩行者保護試験エリア(http://www.nasva.go.jp/mamoru/平成23年度歩行者脚部保護性能試験方法(本文).pdf)

歩行者保護試験エリア(http://www.nasva.go.jp/mamoru/平成23年度歩行者脚部保護性能試験方法(本文).pdf)

この時、脚部を模擬したダミーによって評価されるエリアは、上側から車を見た時に、60度の角度を成す接線がぶつかる点(フロントバンパコーナ)よりも内側のエリアとなります。

このフロントバンパコーナをデザインで明確に定義することで、評価エリアを明確にし、効果的な対策を織り込むようにしているのです。

新型インプレッサのバンパーデザインを見てみると、フロントバンパーコーナーがどこにあるかすぐにわかると思います。

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ちょうど、ボルボブースにあったXC90も同様の対策をとっているように見えました。

ボルボ XC-90もバンパがフラット

ボルボ XC-90もフラットなバンパデザイン

ボルボ XC-90もフロントバンパコーナーが明確なデザイン

ボルボ XC-90もフロントバンパコーナーが明確なデザイン

ヘッドランプの位置にも理由がある!?

新型インプレッサのヘッドランプを見ると、車の前端よりもやや後ろに下がった位置にヘッドランプの前端がくるようなデザインとなっています。

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これは、歩行者をひいてしまった時に、歩行者の脚部が硬いヘッドランプに当たらないように工夫しているのだと考えられます。
また、このようなデザインは、先ほどご説明した軽衝突の観点でも非常に有効です。
車の前端からヘッドランプが奥にあるほど、軽衝突時にヘッドランプが壊れるリスクが減りますから。

 

いかがでしたでしょうか。
今日は新型インプレッサのデザインの工夫をエンジニア視点でご紹介しました。

多くのスバルファンをがっかりさせた新型インプレッサのデザインですが、そのデザインには、様々な工夫が隠れていました。
そんな視点で車のデザインを見てみると、印象も変わるのではないでしょうか。

永田カーティン

永田カーティン

投稿者プロフィール

車好きサラリーマン。
かつて自動車エンジニアとして働いていた経験を基に車に関する面白情報を紹介する。

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