今後 車の形がガラッと変わる!? エンジニアが衝撃を受けた「熱に反応しない鉄」とは!?
- 2016/11/28
- 新しい技術

アメリカの自動車専門メディア「Road and Track」が報じた記事に衝撃を受けました。
それは、南カルフォルニア大学が熱に反応しない鉄の研究を進めているというのです。
鉄の熱膨張とは?
一般的に金属材料は熱によって膨張します。
これは、その材料の温度が上がると、そのもののサイズが大きくなるということです。
例えば、自動車で多く使われている鉄の場合は、膨張係数が11,7なので、1度上昇すると、0.0117mm伸びる訳です。
わかり易いのが、電車の線路ですね。
線路には、熱膨張を考慮して、必ずつなぎ目部分に大きな隙を開けています。
車は熱を排出する
みなさんもよくご存知のように、車はエンジンで燃料を燃やし、そのエネルギーを駆動力に変えることで走る機械です。
走行中のエンジンの温度は、800〜900度にも達します。
そのため、現在の多くの車は鉄で骨格を作っているので、通常、鉄の熱膨張を考慮して設計されています。
エンジンルーム内を覗いてみると分かると思うのですが、基本的にエンジンとエンジンルーム内の部品には、しっかりと隙間を設けています。
しかし、どうしてもエンジンと近くなってしまう部分には、遮熱板と言って熱と部品の間に挟み込むことでその部品の熱膨張を防ぐための部品を設定しています。
もし熱に反応しない鉄ができたら?
もし現在南カルフォルニア大学で研究している熱に反応しない鉄が実現したら車はどのように進化するでしょうか?
熱膨張を考慮して、無駄に部品同士の噛み合わせ部分に隙を設ける必要が無くなります。
そうすると、車体骨格の剛性をより高めることができるので、静かで、ハンドリングの良い車になるかもしれません。
また、遮熱板などを設定する必要がなくなり、エンジンとエンジンルーム内の部品をより近づけて配置することができようになるため、よりコンパクトなエンジンルームで、室内が広い車が実現するかもしれません。
これはメルセデスのコンセプトカーですが、こんな車ができるのも夢物語ではないかもしれませんね。
耐熱性の高い材料としてはカーボンがありますが、カーボンはまだまだ価格が高いため、この熱に反応しない鉄が安い価格で実現することを切に願います。
そうすればきっと車はより一層面白くなるはず(?)ですから。