
コンセプトカーは各自動車メーカーが将来発売する車の方向性などを示すために発表する車です。
市販されることはありませんが、コンセプトカーの要素を取り入れた車が発売されることも多いため、モーターショーなどでは、最も注目される展示の1つとなっています。
そんな、コンセプトカーですが、時に「え?」と疑問を感じてしまうようなコンセプトカーもあります。
そこで、今日は、過去20年間で発表された、ちょっと変わったコンセプトカーをご紹介したいと思います。
Buick Signia(ビュイック シグニア)ー1998年 デトロイトオートショー
アメリカの高級車ブランド「ビュイック」が1998年のデトロイトオートショーで発表したコンセプトカーです。
セダンスタイルの車に無理矢理ラゲッジルームを付けたようなデザイン。
当初アメリカではまだ珍しかったハッチバック車を投入していくというメッセージだったのでしょうか。
それにしても、なんとも言えないかっこ悪さです。
Buick Cielo(ビュイック シエロ)ー1999年 デトロイトオートショー
こちもビュイックが発表したスポーツセダンタイプのコンセプトカー。
グリルが特徴的です。
おそらく、1980年代に販売していたBuick Y-Jobのデザインをベースとしているのではないでしょうか。
とはいえ、このコンセプトカーもかなりかっこ悪いですね。
この時期ビュイックのデザイナーは色々迷っていたのでしょうか。
Pontiac Aztec(ポンティアック アズテック)ー1999年 デトロイトオートショー
2010年に廃止された、GMの乗用車ブランドの1つ「ポンティアック」が発表したコンセプトカーです。
実際このコンセプトカーをベースにしたSUV「アズテック」が2002年に発売されましたが、そのデザインが不評で、販売は低迷したといいます。
デザインについては、イギリスの大衆紙「デイリー・テレグラフ」が発表した「史上最も醜い車ランキング」でワースト1位に選ばれるほど。
ヘッドランプが上下分割したデザインは、最近の車の流行りでもありますが、少し時代を先取りし過ぎたかもしれません。
Honda Fuya-Jo(ホンダ 不夜城)ー1999年 東京モーターショー
ホンダが1999年の東京モーターショーで発表したコンセプトカーです。
「スケボー感覚の軽いノリで、街を駆け抜けるニュージェネレーションビークル」というのが、この車のコンセプトのようです。
今のN-BOXなどのホンダの軽とコンセプト的にはあまり変わらない気がしますね。
ただ、名前もデザインもダサ過ぎます(笑)
Mersedes-Benz SLA(メルセデスベンツSLA)ー2000年 デトロイトオートショー
ベンツの小型クーペのコンセプトです。
なぜかボンネットフードの一部がメッシュになっていて、サスペンションストラットの上だけメッシュ部の上に飛び出しています。
また、サイドミラーはフェンダーと一体化していて、色々と違和感のあるデザインとなっています。
技術的な視点で見ると、ボンネットフードのメッシュは、空力的にも、歩行者保護的にも、間違いなく実現することはできないデザインです。
BMW X COUPEー2001年 デトロイトオートショー
このコンセプトカーは、X5をベースとしたクーペスタイルのSUVです。
つまり、X6の前身となるコンセプトカーです。
ただ、SUVらしさは全く無く、デザインは不評。
最もかっこ悪いBMWと言われるほどでした。
現在販売されているX6は全くこのコンセプトカーとは違うデザインとなっています。
Honda Unibox(ホンダ ユニボックス)ー2001年 東京モーターショー
ポリカーボネート製の透明なパネルでボディは構成され、6輪小型タイヤで、室内空間を極限まで広くした車です。
まさにホンダの「メカミニマム」精神が表れたコンセプトカーですが、私は「一体誰がこんなホンダ車がほしいと思うのだろうか・・・」と疑問を感じてしまいます。
ただ、よく考えてみると、最近流行りのハイトワゴン系の軽自動車の要素が入っている気がします。
そうだとすると、この頃からホンダの考えは首尾一貫しているんですね。
Toyota Pod(トヨタ ポッド)ー2001年 東京モーターショー
ソニーとの共同で、企画されたコンセプトカーです。
当時話題となっていたソニーの犬型ロボット「AIBO アイボ」の要素を車に取り入れたと言います。
感情を持っており、喜怒哀楽をヘッドライトの色で表現するといった斬新なものでした。
また、ハンドルやアクセル、ブレーキといった乗員が操作できる部品は備わっておらず、「ドライブ・コントローラー」と呼ばれるシステムで運転されるとのこと。
まさに、今でいう自動運転ですね。
トヨタはこの頃から自動運転を謳っていたんですね。
Kia KCV-Ⅱー2002年 パリモーターショー
韓国の自動車メーカーキアのコンセプトカーです。
SUVなのか、ピックアップトラックなのか、セダンなのか、よくわからないなんとも不思議なデザイン。
キアと言えば、有名なドイツ人デザイナーのペーターシュライヤーですが、そんな彼のデザインとは思えないほどダサいデザインだと、当時は話題になったようです。
Acura Advanced Sedan ー2006年 ロサンゼルスモーターショー
ホンダが海外で展開する高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の次世代セダンを表現したコンセプトカーです。
なんとももっさりとしたデザインで全くかっこいいとは思えません。
このコンセプトカーでアキュラは一体何を表現したかったのでしょうか。
このコンセプトカーが量産車として実現していないことが救いですね。
いかがでしたでしょうか?
こうやって、振り返ってみると、ユニークなコンセプトカーがあるものです。
今後発表されるコンセプトカーも、これらを上回るものが出てくるのでしょうか。
参考:Road & Track