
先日、1959年製のChevrolet Bel Air(シボレー ベルエアー)と2009年製のChevy Malibu(シボレー マリブ)をぶつけた動画をご紹介しましたが、今回ご紹介するのは、1994年製のローバー100と、2015年製のホンダ ジャズ(日本名フィット)の衝突実験映像です。
それぞれ同じ衝突実験での結果の比較をしています。
この映像から車の安全性がいかに進化してきたかが明らかになりました。
20周年を迎えたEuro NCAP
今回ご紹介する実験を実施したのは、ヨーロッパで販売している車の安全性を評価し、結果を公開しているEuro NCAPという機関です。
そんなEuro NCAPが車の安全性評価を始めたのが1997年なので、今年で20周年を迎えることになります。
この20年で、使ったお金は170ミリオンドル(約180億円)以上。
そして、1800台以上の車を衝突させてきたそうです。
ヨーロッパの交通安全調査機関「ETSC PIN」は、このEuro NCAPによって、1998年から2005年の間に78,000人もの命を救ったと発表しています。
ヨーロッパで最も人気のあった小型車
今回実験されたローバー100は、イギリスの自動車メーカー「ローバー」が生産・販売する小型車で、ヨーロッパでは非常に人気のあるモデルでした。
しかし、1980年代から、その基本骨格を何も変えていないことから、安全性が低く、1998年に実施されたEuro NCAPの評価では、全ての車の中で唯一の1☆(満点は5☆)の評価となりました。
小型車で初めて5☆をとった車
Euro NCAPの安全性評価は非常に厳しく、小型車にとって最高評価の5☆を獲得することはとても難しいことでした。
しかし、2015年、ついに小型車で5☆を獲得する車が出てきたのです。
それが、ホンダ ジャズ(日本名フィット)でした。
車の安全性の進化
そんな1⭐︎のローバー100と5⭐︎のホンダ ジャズの実験結果を比較した映像をEuro NCAPが発表しました。
それでは早速見て見ましょう。
これは、前方からの対向車との衝突を模擬した実験です。
ローバー100はAピラーが大きく折れていますが、ジャズは全く折れていません。
上から見ると、ローバー100はルーフまで変形していることが分かります。
また、ローバー100はエアバッグがついていますが、ハンドル部分が大きく変形して、全くドライバーを受け止められていません。
一方、ジャズはしっかりとエアバッグがドライバーの頭部を守っていることが分かります。
衝突後の車を比較してみても、その差は歴然です。
こうやって見ると、車の安全性がいかに進化してきたかということがよくわかると思います。
Euro NCAPのような機関がその一因となっているのは間違いなさそうです。
是非動画でもご覧下さい。